泡盛座談会 「仕次ぎ必要」一致 基準作り検討指摘


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泡盛の消費促進策などを語る(左から)泡盛マイスター協会の新垣勝信会長、元泡盛の女王の国吉真理さん、忠孝酒造の大城勤社長=24日、琉球新報社

 琉球新報社は25日までに、那覇市天久の本社に酒造所関係者や識者を招いて、泡盛業界の課題抽出や今後を展望する座談会を開催した。出席者は古酒年数表示の厳格化により実質的に認められていない「仕次ぎ」について、泡盛の重要な文化だとして仕次ぎによる古酒造りの必要性で一致した。泡盛業界の統一した仕次ぎルールを作るため、科学的な研究・検証が不可欠だとする意見が上がった。泡盛の普及を促進するため「乾杯条例」の制定や、琉球料理と泡盛の世界無形文化遺産登録を推進するよう提言があった。

 出席者は忠孝酒造の大城勤社長、泡盛マイスター協会の新垣勝信会長、2013年度泡盛の女王の国吉真理氏の3人。

 仕次ぎ問題について、大城氏は「泡盛は年を取れば味に力がなくなってくる。仕次ぎをしなければ30年、50年古酒はできない」として仕次ぎの必要性を訴えた。一方で「どういう基準で仕次ぎをすればいいのか研究データがない。業界として基準作りをやるべきだ」と指摘した。

 国吉氏は「仕次ぎは泡盛の文化だ」と必要性を強調。加えて「商品化するなら古酒年数ははっきりと表示したほうが分かりやすい」と提案した。

 世界遺産登録について、新垣氏は「食文化の欧米化により衰退が危惧される琉球料理と、600年の歴史を誇る泡盛は重要な文化遺産だ。保護、継承する義務が県民にはある」と述べ、世界遺産登録に向けた県民運動の喚起を呼び掛けた。

 泡盛による乾杯条例について、大城氏は「泡盛は沖縄の大切な文化だ。沖縄でも泡盛の乾杯条例を制定して文化をつなぎ、教えていく作業をすることが大事だ」と話した。