那覇地検は20日、6月に沖縄本島の施設内で、成人女性に性的な暴行を加えてけがを負わせたとして、不同意性交致傷の罪で、在沖米海兵隊上等兵の男(20)を起訴した。裁判員裁判になる。沖縄県警が5日、起訴を求める「厳重処分」の意見を付けて書類送致していた。
起訴状によると、海兵隊員は6月21日、本島内の施設で女性が同意しない意志を示せない状態にした上で性的暴行を加えた。女性は7日間の入院治療を含む全治約1カ月のけがを負った。
事件を巡っては、県警が米軍側に協力要請し、米軍管理下にあった男の身柄引き渡しを求めずに在宅で捜査していた。
関係者によると、海兵隊員は県警の調べに性的行為に同意はあったとの認識を示し、容疑を否認していたという。
米兵による性的暴行事件を巡っては、昨年12月に発生した米空軍兵による少女誘拐暴行事件は県警や政府が県などに情報共有せず、今年6月25日に報道で明らかになった。5月には米海兵隊員による不同意性交致傷事件が起き、これが報道によって発覚したのは6月28日だった。
県警は9月5日、6月に起きた事件の概要を県に伝達した。県警が米軍関係者による非公表事件の情報を県に通知する運用開始後、初の伝達事例となった。