機動隊、市民縛り強制排除 1人けが 米軍北部訓練場


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ロープを利用して市民らを排除する機動隊=28日、東村高江(読者提供)

 【ヘリパッド取材班】東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設で28日、機動隊が新たなヘリパッドが造られるH地区の工事現場周辺で、木の伐採を阻止しようとした十数人の市民の体を1人ずつロープで縛って現場から引き離す強制排除を行った。市民らによるとその際、50代男性が左足首をひねり、本島北部の病院に救急車で搬送された。男性は足首を捻挫するなどして全治1週間のけがを負った。

 市民ら約20人は午前8時ごろから、H地区のヘリパッド付近での樹木伐採を阻止するため数メートルの高さがあるヘリパッド造成地の斜面に座り込むなどしていた。市民らによると、午前中は静観していた機動隊員が午後1時すぎから斜面に下りてきて、市民1人当たりを4人ほどで取り囲み、体を押さえ付けるようにして腰やリュックサックなどにロープを巻き付けた。

 斜面の上にいる機動隊員がロープを引っ張り、市民を取り囲んだ機動隊員らが市民を抱える形で斜面上まで引き上げた。

 市民らは引き上げられた後、しばらく機動隊員に取り囲まれて移動できないよう行動を制限されたという。体に結ばれたのは工事用ロープだった。市民によると、強制排除後、H地区の樹木伐採は完了したとみられる。排除された女性は「何も抵抗しなかったのに。屈辱的だ」と話した。

 28日は一斉行動の水曜日に当たり、市民ら約170人がN1地区ゲート前で集会を開いた。