慰霊碑完成 戦没者やっと故郷へ 北中城比嘉区


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建立された慰霊碑で手を合わせる旧比嘉区民ら=5日午後、北中城村

 【北中城】戦後米軍に土地を接収され、2010年に返還された北中城村比嘉区に区出身の戦没者慰霊碑が建立された。5日、慰霊碑の除幕式と追悼式典が開催され、関係者が戦没者の冥福を祈るとともに、「旧比嘉区の戦没者も生まれた土地に帰ってくることができ、やっと比嘉区の戦後が終わった」と喜んだ。

 同区は戦後、アワセゴルフ場として米軍に提供された。慰霊碑には区出身の戦没者49人のうち、38人の名前を刻銘できたが、残りの11人は身元が分からず、刻銘できなかった。

 比嘉郷友会の喜屋武和廣会長は「戦争で旧字出身者49人が犠牲となり、家族一家全滅の痛ましい犠牲もあった。私たちは二度とこの悲劇を繰り返してはいけないと後世に伝える責務がある」とあいさつした。

 旧比嘉区は戦前、68世帯315人が住んでいる田園集落だったが、土地を追い出された比嘉区民は近隣市町村に住居を移しており、区外からも多くの参列者が訪れた。