フィナーレ熱く 世界若者ウチナーンチュ大会 「古里誇り」歌に込め


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
アーティストなどのライブで盛り上がる参加者=23日、うるま市の勝連城跡

 「沖縄を誇って、夢に向かって飛び立っていこう」―。23日、うるま市の世界遺産勝連城跡で開かれた世界若者ウチナーンチュ大会のグランドフィナーレで、HYが呼び掛けると、会場に詰め掛けた県内、国内外からウチナーンチュの若者たちが一つになった。沖縄の伝統芸能と現代文化が融合したアーティストたちのパフォーマンスがステージでは繰り広げられ、参加者を魅了した。言葉の壁を超えた音楽で「沖縄へのプライドを感じる」などと話す若者たち。2年後、ペルーでの再会を誓って、大会は閉幕した。

 フィナーレは日が暮れて幻想的にライトアップされた勝連城跡を背景に、現代版組踊「肝高の阿麻和利」で開幕した。初めて組踊を見る人も多く、海外県系人らは息をのむように、地元の高校生が受け継ぐ琉球の歴史劇に見入った。

 「ワールドユースウチナーンチュ! ワールドユースウチナーンチュ!」の声が勝連城跡内に響き、観客が一つになったのは、AwichとDJ TAROのパフォーマンス。高まる一体感の中で、「お帰り」「ただいま」の歌詞に乗せて「Sky’s The Limit」がテーマソングを歌うと海外からの県系人から笑顔がこぼれた。

 アルゼンチンの県系4世安里なおみさん(24)は「歌を聴いて『ルーツや先祖のこと忘れないで。いつでも帰ってきて』と言われた気がする」と述べ、カナダ県系2世のクリスティーナ・パターソンさん(23)は「沖縄の歴史は戦争のイメージしかなかったが、平和だった琉球王国時代も知り、面白かった」と大会を振り返った。

 本部町青年団協議会の三島清人会長(31)は4日間の交流を通し「世界のウチナーンチュの、沖縄に向ける熱い思いに圧倒された」と言葉に熱を込めた。「沖縄の血が流れていることを誇りに思っていると感じ、感動した」と語った。