空手・八木きょうだい躍進 兄・竜平 西日本2連覇、妹・美心 全日本で2冠


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きょうだいで稽古に励む八木竜平(右)と妹の美心=8日、那覇市の八木道場(大城直也撮影)

 沖縄空手剛柔流の伝統を受け継ぐ八木道場に所属する八木きょうだいが存在感を増している。4日、大分県で開かれた「一進会杯争奪西日本空手道選手権大会」で兄の竜平(浦添高1年)が形で2連覇を達成し、同時開催の「紅拳士全日本空手道選手権大会」で妹の美心(みいこ、天妃小6年)が形と組手で2冠に輝いた。

 竜平は部活と道場で毎日5~6時間の稽古を積み、技を磨く。今回の決勝は得意なスーパーリンペイで臨んだ。腰を低く落として体を安定させ、突きや蹴りなどの見せ場をきっちりおさえ、緩急も付けた。連覇を果たし「目力や声、気迫、全てで相手を上回る気持ちだった」と笑顔を見せた。来年3月の全国高校選抜大会で浦添高の一員として団体形での出場も決まっている。高校で初めての全国だが「いい結果を出せたらいい」と意欲を見せる。

 美心は昨年、組手3位で形は予選落ちに終わり、雪辱を誓っていた。「練習量を増やしたことと優勝したいという強い気持ちがあったので勝てた」。練習を週3日から6日に増やし、昨年より難易度の高いクルルンファを兄から習って挑んだ。形の決勝は年上の相手だったが、ためとキレを意識して優勝を決めた。直後にあった組手の決勝では普段はパンチ中心のタイプだが、長身の相手に対し、距離を詰めやすい蹴りも劣勢をカバーした。この作戦がはまり2冠を手にした。

 竜平は「来年も出られたら3連覇を目指す」と腕をまくり、美心も「技を磨いて連覇できるようにしたい」と燃える。2人は7人きょうだいの長男と長女。父の一平さんは「2人の活躍はきょうだいや後進の刺激や励みにもなる」とさらなる活躍に期待した。(崎原有希)