
「ネット地図で沖縄市をタイムトラベル!」―。沖縄市のコザ高校3年生52人が市内の名所・旧跡の今と昔を調べ、琉球王朝時代から現代までの地図に落とし込んだサイト「ツナガル・マップ」の制作に取り組んでいる。調査対象は泡瀬の塩田や越来城など歴史の舞台のみならず、商店街やライブハウス、エイサーの歴史など大衆文化にも及ぶ。教科書にない情報を文献やフィールドワークで調査し、高校生の視点で発信する。
戦後の娯楽としてにぎわった「ピカデリー国映館」も、その建物を利用してできた伝説のディスコ「ピラミッド」も知らないが、駐車場になった現在の様子は知っている。そんな“現代っ子”が一から地元の魅力を調べ上げた。
ツナガル・マップは名所や旧跡の名称をクリックすると、当時や現在の写真、説明文、現在地情報が見られるシステム。琉球王朝初期、中期、大正時代、米統治下、復帰直後、2000年頃の六つの地図を同じページで見ることができ、過去から現在までの変化が分かる。
生徒は13のグループに分かれて調査した。授業のほか、受験勉強や学校行事の合間を縫って博物館や図書館、調査対象に足を運び、写真撮影や関係者へのインタビューを重ねた。
社会科の奥間建教諭が「地域学習プロジェクト」として4月に取り組みを開始した。企画やシステム開発にユニバーサルデザイン総合研究所、バリューリソース・デザインのIT企業、アドバイザーとして県立芸術大学講師、県立博物館学芸員も加わった。
残すは掲載する写真の著作権問題だけで、完成は間近だ。
ライブハウスやレコード店を巡って「音楽の街」の歴史を調べた眞榮城依玖実さん(18)のグループは「かっちゃんは知ってたけど、コンディショングリーンは知らなかった。知らないことがいっぱい出てきて楽しかった」と話した。
ツナガル・マップのURLは、http://www.tsunagaru-map.com/web/okinawa-city-koza-2016.html