安定供給へ決意 南西石油新社長が会見 航空燃料販売も視野


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 ブラジル国営石油会社ペトロブラスから南西石油(西原町)の全株式を取得した太陽石油(東京)の岡豊社長と、南西石油の新社長に就任した太田武之氏が17日、買収後初めて県庁で記者会見し、今後の経営方針などを発表した。太田社長は「ターミナル基地としての旧南西石油の業務を円滑に受け継ぎ、県内の石油製品の安定供給を果たす」と抱負を述べた。

南西石油の株式譲渡と新社長就任で記者会見を開く(右から)太陽石油の岡豊社長、南西石油の太田武之社長、金城和一取締役=17日午前、県庁

 四国を拠点とする石油元売りの太陽石油は昨年12月28日付で、南西石油の発行済み株式265万5664株をペトロブラスから1億2928万ドルで取得し、完全子会社化した。

 沖縄進出の狙いについて岡社長は「沖縄と市場規模が似通う愛媛県で、太陽石油は3割のシェアだが、旧南西石油の沖縄でのシェアは6割だ。(太陽石油の石油工場がある)愛媛と山口に次ぐ第3の拠点として沖縄に期待している」と説明した。南西石油の買収に伴う沖縄での事業戦略として、世界的にも需要が増えている航空機用のジェット燃料販売を新たに取り込めることや、将来的な海外展開の拠点として位置付けていることを挙げた。

 今後は愛媛県にある太陽石油の精製工場で製造したガソリンや軽油、灯油などを南西石油の油槽所で受け入れ、県内の販売事業者などに卸供給していく。ペトロブラスが停止した南西石油の精製施設は解体する。老朽化した貯蔵タンクなどの修繕費を含め「投資額は精査中」とした。

 一方、現在140人余の従業員について、太田社長は「旧体制から引き継ぐ61人の雇用はしっかり守る。残りの退職者はペトロブラスが責任を持つことになっているが、県や西原町の協力も得ながら、南西石油としてもバックアップしていく」と述べた。

 両社長は会見に先立ち、翁長雄志知事と県庁内で面談した。翁長知事は「皆さんのような大きな会社と一緒に仕事をするのは心強い。沖縄を拠点とした連携で県も支援したい」と話した。