8割「私はウチナーンチュ」 昨年の世界県系人大会参加者 アイデンティティー強く


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加藤潤三准教授

 琉球大学法文学部の加藤潤三准教授らが、昨年10月に開催された第6回世界のウチナーンチュ大会中に参加者に実施したアンケート調査を3日までにまとめた。有効回答者数は1093人。回答者のうち、79・3%が「自身をウチナーンチュだと思う」(非常にそう思う、ややそう思う)と回答した。大会について87・0%が満足(非常に満足、やや満足)と回答した。

 「自分のことをウチナーンチュだと思うか」という質問では、県内からの参加者の64・3%、海外からの参加者の51・4%が「非常にそう思う」と回答した。

 海外参加者は1世から4世まで総じてウチナーンチュとしてのアイデンティティーを強く感じていることが明らかになった。1世は移民先の国の国民としてよりも、ウチナーンチュとしてのアイデンティティーの方がより強かった。

 一方、2世以降は移民先の国の国民としてのアイデンティティーとウチナーンチュとしてのアイデンティティー意識が同程度で、二つの帰属意識が共存していることが浮かび上がった。

 一方、大会を通じて新たに何人のウチナーンチュのネットワーク(つながり)が生まれたかを尋ねた質問で、県内からの参加者は「0人」と回答した割合が約8割と高かった。

 海外参加者は「0人」と回答した割合は約3割で、約7割が新たなネットワークを築いていた。加藤准教授は「県内参加者と海外からの参加者のネットワークの構築は今後の課題になるだろう」と分析した。

 アンケートは加藤准教授、神戸市外国語大学講師の前村奈央佳氏を代表者とした研究チームと大会実行委員会が共同で実施した。過去の大会に続き3回目の実施で、24の質問を日本語、英語、スペイン語、ポルトガル語の4言語で尋ねた。