社会

沖縄、「共謀罪」適用に懸念 基地反対運動など標的も、専門家指摘

 「共謀罪」法案が21日、閣議決定され、国会に提出された。犯罪成立の“線引き”のあいまいさが残り、捜査機関の恣意(しい)的運用への疑念が払拭(ふっしょく)されないままだ。一般市民を抑圧した戦前の「治安維持法」と重なるとの指摘もあるほか、沖縄県内では米軍普天間飛行場の移設計画に伴う名護市辺野古の新基地建設反対運動に適用されるといった懸念も根強く、法案へ批判の声が上がっている。


 「共謀罪」が成立した場合、県内では名護市辺野古の新基地建設に対する抗議活動への影響が指摘される。抗議活動での逮捕者の弁護人も務める小口幸人弁護士は「(成立した場合は)警戒のしようがない」と法案成立を強く懸念する。

 「共謀罪」は犯行の計画でも処罰の対象となるので、“疑惑”があれば捜査の対象となる。小口弁護士は「標的を絞り、犯行計画の『絵』を描く。その上で日常生活を監視し『ピース』を組み合わせてその絵の根拠となる証拠が集まれば捜索もできる」として、捜査機関が“疑惑”を作り出すことも可能だと指摘する。

 例として基地建設現場前でのコンクリートブロックの積み上げ行為を挙げる。「抗議資金のため募金活動をしている人がホームセンターに入店することを示す写真などを示して、『抗議活動でブロックを積む計画をしている』と威力業務妨害を認定して、捜査する可能性もある」と説明する。

 捜査によりスマートフォンなどが押収され、会員制交流サイト(SNS)の履歴などで「犯行の共謀者」にされる危険性も指摘する。「抗議行動する人たちには、SNSで頻繁に情報発信する人も多い。捜査された人と抗議活動に関するSNSでのやり取りや閲覧などがあれば、『計画に協力した』として捜索される危険性はある」との懸念を示す。

 「捜査の結果として起訴はされなくても、捜索や逮捕・勾留するだけで市民への影響は大きい。捜査機関が恣意的に使えるので、警戒のしようもない」と話す。「テロの未然防止に役立つとは思えないが、逮捕するだけなら便利な道具だ」と語り、抗議活動を抑圧するための法案だとの認識を示した。