しまくとぅば「使う」54% 沖縄県の「琉球語」調査、4ポイント減、目標達せず


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 沖縄県は27日に開いた「しまくとぅば普及推進専門部会」で、しまくとぅば(琉球諸語)に関する2016年度の県民意識調査の結果を発表した。しまくとぅばの使用頻度について「主に使う」「共通語と同じくらい使う」「あいさつ程度」の合計は前回(13年度)の58%より3・9ポイント減の54・1%だった。県は22年度に三つの合計を88%にすることを目指しており、16年度の目標値は61%だったが、達成できなかった。

 結果について県文化振興課は「非常に残念だ。(話せないが)聞くことはできる世代の話す機会を増やす施策を重点的にやっていきたい」としている。

 理解度については「よく分かる」が前回比6・1ポイント減の18・1%だった。「ある程度分かる」は1・5ポイント増の45・7%。「あまり分からない」「全く分からない」の合計は4・5ポイント増の35・6%だった。

 しまくとぅばへの愛着については「親しみを持っている」が前回比4・0ポイント減の40・6%で、全世代で減少した。「どちらかと言えば親しみを持っている」は2・1ポイント増の37・8%。「どちらかと言えば親しみを持っていない」「親しみが持てない」の合計は3・4ポイント増の15・4%だった。

 「生活でしまくとぅばは必要か」という質問では「非常に必要」が前回比2・4ポイント減の16・8%、「ある程度必要」が0・6ポイント増の60・1%だった。「あまり必要でない」「まったく必要でない」の合計は2・2ポイント増の22・7%だった。
 調査は1~2月に行い、2630人から回答を得た。県は17年度から毎年調査を行う考え。

 17年度のしまくとぅば普及継承事業費は前年度比約5千万円増の約1億4588万円。17年度内に普及を担う人材の育成、派遣などを担うしまくとぅば普及センター(仮称)を設置する。