琉大発「泡盛」「カレー」 学内公募、知を結集 企業と開発、販売へ


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大学の知を生かして開発されたレトルトカレー「琉球大学ロマン」と「琉球大学の泡盛」

 琉球大学(大城肇学長)は2016年度琉大ブランド商品開発支援事業として、独自酵母を使ったフルーティな香りの「琉球大学の泡盛」、農家と共同開発した春ウコンを使った色鮮やかなレトルトのスープキーマカレー「琉球大学ロマン」を開発した。3月31日、西原町の同大で開発に携わった企業などと発表した。

 琉大のブランド商品開発支援事業は、学内の知的資産を活用し、企業と連携して大学のブランド商品を開発しようと16年度に始めた。教員・学生を対象に公募し、アイデアから販売までを総合的・継続的に支援する。試作などの経費を含めて予算は合計300万円。泡盛に200万円、カレーに100万円を充てた。

 泡盛は、農学部発酵微生物学研究室が独自に開発した「R217酵母」を使い、石川酒造場(西原町)、バイオジェット(うるま市)が連携してこの酵母の特性を引き出す醸造条件を確立した。

 通常の泡盛よりも華やかな香りが強く、味のバランスもいいという。重厚なイメージの瓶のラベルも学生がデザインした。外山博英教授は「伝統の技に大学の新しい技術を加えて、他にないものができた」と完成を喜んだ。

 カレーに使ったウコン「琉大CL2号」は他にはない特徴があり、品種登録を申請中。春ウコンの一種で、クルクミンの含有量が多い上に、「分岐が少なく土を落としやすい形状。連作障害もない。農家にとっては理想的」と、農学部の本村恵二教授は紹介する。

 開発を手掛けた県内のカレー店「あじとや」の永井義人取締役は「CL2は香りが強く、色も濃くて驚いた。琉大のじんぶん(知恵)を感じて長く楽しんでほしい」と呼び掛けた。

 泡盛は現在価格などを調整中で夏ごろには発売予定。カレーは1個600円で5月中旬に那覇空港、大学生協、あじとやなどで発売予定。

琉球大学ブランドの泡盛とカレーを開発した大学と企業の関係者ら=3月31日、西原町の琉球大学