南城の魅力届けたい 小学生姉妹が商品開発 ヘチマ芳香剤、販売目指す


この記事を書いた人 平良 正
南城市の特産品を使った商品開発に取り組んでいる、親川明日花さん(左)と妹の茉莉花さん=10日、南城市百名

 南城市の小学生姉妹が、市内で生産された野菜などを使った商品開発に取り組んでいる。市内の農家から買い付けたヘチマで作った芳香剤を開発したのは親川明日花さん(10)=百名小5年=と妹の茉莉花さん(7)=同小2年。市内の店頭やインターネット上での販売を目指し、“新たな特産品”の配送方法や価格について検討中だ。明日花さんは「南城市の魅力もたくさん届けたい」と目を輝かせた。

 親川姉妹は神奈川県横浜市出身。3年ほど前、父親の出身地である南城市に移り住み、明日花さんだけは1年前に南城市に移った。

 家族そろって沖縄で暮らし始めた頃、姉妹が夢中になったのはアクセサリー作り。「アクセサリーを販売できるのでは」と思い立った明日花さんは、ハンドメイド商品をインターネットで販売していた母親に相談した。

 母親の助言もあり、2人はオンラインショップ「なんじょうらぶshop」を2016年4月に立ち上げ、自作のアクセサリーの販売を始めた。

 当初はアクセサリーだけを販売していた2人だが、「南城市の特産品や文化に魅力を感じるようになった」(明日花さん)ことで、商品開発の構想をスタートさせる。

 姉妹は沖縄に来て、ヘチマを食す文化に衝撃を受けたという。「本土では乾燥させて体を洗う道具にしている。食べる以外の使い方もあると知ってほしい」と、ヘチマを活用した商品活用に取り組み始めた。

 試行錯誤の末、今年4月までに、輪切りにして乾燥させたヘチマを使った芳香剤を完成させた。また、南城市が鬼退治のムーチー物語で知られていることに着目し、ムーチーを包む月桃の葉でヘチマの芳香剤を包んだ。

 ヘチマやムーチーの葉などの材料は姉妹が地域の農家から直接購入した。明日花さんが作った企画書で、市の観光商工課にも商品の宣伝をしている。

 デザイン担当の茉莉花さんは「自分のイメージした通りの物を作ってくれる」と、明日花さんに信頼を寄せる。明日花さんは「茉莉花のこだわりが強すぎて大変だけどね」とおどけてみせた。

 今後も地域の素材を活用した商品開発に取り組むという姉妹。「自分たちで作った物を誰かに届けたい」と楽しそうに笑った。(嘉数陽)