戦争の悲惨さ心に刻む 渡嘉敷で豊見城南高が平和学習


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 【渡嘉敷】県立豊見城南高校(石原啓校長)は1981年の開校以来、毎年渡嘉敷村を訪れて新入生宿泊研修を国立沖縄青少年交流の家で実施している。プログラムの中に地元の平和ガイドを招いた平和学習を取り入れ、渡嘉敷村の沖縄戦や「集団自決」(強制集団死)などについて学んでいる。

集団自決跡地の慰霊碑前で黙とうする豊見城南高校の生徒ら=4月28日

 37回目の今年は新1年生と教諭ら200人が4月26日から2泊3日の日程で同村を訪れた。高校生活全般のオリエンテーション、充実した高校生活を送るための心構えなどについての講話やキャンプファイア、レク、ハイキング、海洋研修など、渡嘉敷島での体験活動を通して仲間との親睦を深めた。

 最終日は地元平和ガイドによる平和学習があり、青少年交流の家に隣接する集団自決跡地の慰霊碑を訪れた。

 講師は渡嘉敷村住民の悲惨な「集団自決」がなぜ起きたのかを体験者の証言などを基に語った。

 島の戦時中の悲劇について説明した講師が「この世の出来事とは思えない凄惨な光景の中で、330人が自ら生命を絶った」と語ると、生徒らは熱心に耳を傾けて聴き入った。最後は全員で黙とうを捧げた。

 中野航太さん(15)は「渡嘉敷島の戦争の悲惨さをみんなに伝え、恒久平和の誓いを新たにしたい」と生徒を代表して講師にお礼を述べた。

(米田英明通信員)