「これ以上ないゴルフ人生」 宮里藍が引退会見 「意欲の維持困難」で決断


この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎
引退表明会見で引退を決意した理由やこれまでの選手人生などを振り返り、思いを語った宮里藍=2017年5月29日、東京都内のホテル

 今シーズン限りで現役を引退することを26日に表明していた女子ゴルフの宮里藍(31)=東村出身=は29日、東京都内のホテルで記者会見し、「一番はモチベーション(意欲)の維持が難しくなったこと」と語り、昨年夏ごろに引退を決意したことを明らかにした。父・優さんのお手製のクラブを握った4歳がゴルフとの出会いだった。2003年にプロ宣言して14年、日米で戦ってきたここまでの歩みに「これ以上ないゴルフ人生だった」と述べ、大きな瞳は真っすぐ前に向けた。

 午後1時すぎ、報道陣で埋め尽くされた会場に、宮里が登場した。“藍ちゃん”としてファンにも親しまれ人気者だった元世界ランク1位に、カメラのフラッシュが集中。各社の質問は「感動をありがとう」との言葉から始まった。

 引退を意識した時期を問われ、「4、5年前にこれまでできていたトレーニングができなくなった」と切り出した。10年に世界ランク1位に駆け上がった後、プロゴルファーとしてもピークを感じていたが、念願の「メジャータイトルが取れない」と立ち止まり、自分を見失い立て直せなくなったという。「そこをどうしようか手探りで進んできた」というが、今まで通りの練習で自分を追い込むことができなくなった。「それはもう自分の望む理想の形ではなかった」と語った。

 結婚についても質問があり「それはない。すみません」と照れ笑い。引退後については「まだ決めていない。先に物事を決めると自分が苦しくなる。選手としても感覚派だったので、自分の感覚に正直にいきたい」と説明した。

 今季は国内では6月8日に開幕するサントリーレディスに出場予定。11月まで続く米女子ツアーにも引き続き参戦する。「一試合一試合を丁寧にやっていきたい。メジャーには全部出たいし、勝つチャンスはまだ残っている。諦めていない」と明言。優勝に意欲を示す勝負師の表情をのぞかせた。

 会見は47分間行い、最後は言葉を詰まらせながら「引き際の寂しさは一切なく、感謝の気持ちで最後までプレーできることがうれしい」と話し、会場を後にした。