[ココロ・カラダ不思議つながり]9 赤ちゃん産む痛さはつらい?


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Q.赤ちゃん産む痛さはつらい?

 

 今日は小学4年生からお手紙をもらいました。

 「子どもを産むときには赤ちゃんの通り道が10センチまで大きくなるって聞きました。ちょっと痛そうだから、私は嫌だなと思いました。本当かどうか分からないんですけど、赤ちゃんを産む痛さは鼻からスイカが出る痛さなんですか? 徳永さんは4人も子どもを産んでいて、つらくなかったのかなと思います」。

A.脳から忘れる物質が出る

 

 う~ん、そうですね~。私は鼻からスイカを出したことはないので比べられないけど、鼻の穴はそんなに伸びないので、出せないと思います。4人の子どもがいるって聞いて、私のことを思いやってくれてありがとう。

 子どもを産むときは、今までピッタリと閉じていた女の人の子宮(赤ちゃんが育つ袋の呼び名)の口が開くし、子どもを押し出すために子宮が縮むので、陣痛と呼んでいる痛みが起こります。お母さんから話を聞いたり、ドラマで出産のシーンを見たりして、すっごく痛そうで嫌だな、と思っている女子のみなさんは多いです。

 ところが、子どもが生まれると痛みを忘れる物質が脳から出るので、私はどんな痛みだったか覚えていないのです。「痛かったはず」なのですが、思い出してつらくもなりません。

 そして、次の子ども産むときに陣痛が強くなってきたら「あっ、そうそう! この痛みだった! これからちょっと大変だわ」とはっきり思い出します。でも子どもが生まれてしまうと、また、ちゃんと忘れます。人間ってうまくできていますね。

 ところが、出産に立ち会う男の人や子どもには、このうまい仕組みが備わっていません。出産するお母さんのすごく苦しそうな様子を見て、大きなショックを受けてしまうこともあるので、事前に身体の学習をしておくことが大切です。

 そしてもし出産に立ち会う場合には、少しでも怖いなと思ったら途中で部屋から出られるように、病院の人たちに配慮してもらうといいと思います。

徳永桂子(とくなが・けいこ) 思春期保健相談士。

 心が生きると書く「性」、心が生きて交わる・お互いの心を生かして交わると書く「性交」の漢字の通り、子どもたちがありのままの自分を肯定できるように。豊かなパートナーシップを築けるように。みんなで明るく肯定的に性について語れたらいいなと思って活動中。

 新報小中学生新聞に「ココロ・カラダ不思議つながり」を連載中。著書に「からだノート~中学生の相談箱」(単著)「LGBTなんでも聞いてみよう~中・高生が知りたいホントのところ」(共著)など。