「氷上の格闘技」とも言われるアイスホッケー。強豪国カナダの世代別代表で、2016-17シーズンで世界最高峰・ナショナルホッケーリーグ(NHL)の新人ゴーリー(GK)トップのセーブ率を誇ったローレン・ブラッソワ選手(エドモントン・オイラーズ所属)が県内を訪れ、講習会を開いた。国体代表をはじめ、小学生から大学生まで県内で練習に励む選手らが参加。世界レベルに触れながら、最高峰の技を学んだ。
アイスホッケー競技は最近、各世代で県勢はめきめきと実力を上げている。成年の県代表は、2016年の国体で県勢初の初戦突破を果たし、その後の九州ブロック大会では初優勝した。今回の講習会は県体育協会が各種スポーツ大会や合宿の受け入れ推進事業の中で、競技力向上を狙い実施した。
講習会は6月30日、7月1日の両日、南風原町のスポーツワールドサザンヒルで行われ、25人が参加した。ブラッソワ選手のほか、カナダでGKのコーチを務めるリンドン・サマティーノ氏も招き、氷上での実戦練習のほか、ポジションや作戦などの座学も行われた。
2人は講習の中で、スティックの使い方やシュートの防ぎ方などを指導した。GKに特に重要とされるスケーティングの技術に多くの時間が割かれ、サマティーノ氏は「スケーティングではフルパワーですぐに動けるように体をコントロールすることが大切だ」と解説した。
16-17シーズンセーブ率92・9%を記録したブラッソワ選手。191センチと大柄ながら俊敏に氷上を滑る様子などに、参加した県内の選手らは真剣なまなざしで見入っていた。県選手の動きを見たブラッソワ選手は「まだ練習が必要だが基本的なスキルはある。楽しんで練習に取り組んでくれているので教えがいがある」と感想を述べた。
2016年度国体成年県代表の大城麻里央主将は「体格なども違うが、氷上での動きが全然違い、安定している」と語り、「これだけ有名な選手が沖縄まで来て指導してもらえてありがたい」と世界のプレーを目の当たりにし、喜んだ。
県代表チームの三沢悟総監督は「GKのレベルが上がると、シューターのレベルも上がることにつながる」とし、「県選手同士の個々の競争が増していけば、さらに上を目指せる」と大会での活躍に期待を示す。
競技の上達を目指す県選手にブラッソワ選手とサマティーノ氏は「今回の講習で学んだことを続けていくこと。そしてうまくなりたいと思う気持ちが大切だ」とエールを送った。
(屋嘉部長将)