パッションフルーツに新品種 酸味少ない「サニーシャイン」


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新品種のサニーシャイン=11日、石垣市の国立研究開発法人国際農林水産業研究センター熱帯・島嶼研究拠点

 【石垣】国立研究開発法人国際農林水産業研究センター熱帯・島嶼(とうしょ)研究拠点(熱研、石垣市)はこのほど、パッションフルーツの新品種「サニーシャイン」を育成した。11日、熱研で沖縄県内各地の生産者らを対象にした説明会を開いた。サニーシャインは従来品種に比べ酸味が少なく、色つやが良いことから、熱研はパッションフルーツの生産拡大のきっかけになるとして期待を寄せている。

 熱研によると、従来品種は収穫時の果実酸度が生食用としては高かった。酸味を減らすための1~2週間程度の追熟により、果皮の劣化や香りの減少が生じた。また、高温期には着色不良の果実が多発する課題もあり、熱研は2012年度から試験栽培を行い、新品種育成に取り組んできた。

 サニーシャインは、収穫直後から酸度が低いため短期間の追熟で食べやすくなり、高温期でも着色不良の果実は少ないという。果実も大きく、色つやが良い特徴もある。

 アルカリ性土壌では生育不良になるなどの課題があり、対応策を探るため、生産者への種苗の販売は18年度以降となる。