2017年度全国高校総合体育大会・南東北総体は2日、沖縄県勢は7競技に出場した。レスリング男子個人120キロ級決勝で仲里優力(北部農林)が武藤(大分・日本文理大付)を3―1の判定で下して頂点に立った。
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男子120キロ級決勝。全国大会3冠を目指す仲里優力(北部農林3年)の前に、直近の九州大会団体戦決勝で苦杯をなめた武藤翔吾(日本文理大付・大分)が立ちはだかった。
手の内を知り尽くし合っている2人。大技を掛け合う場面はなく息詰まる駆け引きが続く。この拮抗(きっこう)した戦いは場外への押し出しで得点した仲里に軍配が上がった。スコアは3―1。普段しないガッツポーズが仲里の喜びを物語った。
この日、仲里は痛めていた右肩辺りの違和感が前日に引き続きあった。しかし、試合が始まれば持ち前の集中力で痛みは感じない。
準々決勝をテクニカルフォールで勝利し、ヤマ場と見ていた準決勝は、全国上位常連のアビッド・ハルーン(日体大柏・千葉)に大会で初めて先制を許した。窮地にも慌てず、背後を狙ってきた相手の腕を脇で挟み、そのまま投げて4点を取り勝ち切った。
迎えた決勝。宿敵を前にマットに上がる仲里へ、屋比久保監督から「頭をクールに」と声が飛ぶ。「屋比久先生の声が聞こえていた」という仲里は体勢を低くし、間合いを詰め、武藤が得意なタックルをさせない。
我慢比べが続くが、自身(107キロ)より10キロ以上重い武藤に対しても、鍛えた下半身の粘りで力負けせず、場外へ押し出し得点を重ねた。
全国選抜とJOCジュニアオリンピックカップに続く3冠目に王者は「全国総体に懸ける気持ちは他の大会より大きかった。大事なタイトルを取ることができた」と興奮した。
全国総体後は埼玉県で行う全日本合宿に参加し、4冠目を目指す全国高校グレコローマンスタイル選手権大会に出場する。これまで誰もなしえなかった5冠へ向け、仲里は「自分がやります」と力強く宣言した。
(屋嘉部長将)