辺野古唯一は一貫 小野寺防衛相


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記者会見で名護市辺野古の新基地建設問題などについて語る小野寺五典防衛相=3日午後、防衛省

 【東京】小野寺五典防衛相は3日夜、防衛省での会見で、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に関し「沖縄の負担軽減、特に普天間の一日も早い返還のためには、辺野古が唯一の解決策というスタンスについては政府として一貫している」と計画を推進する考えを示した。

 前回防衛相を務めていた時は辺野古の埋め立てを承認した仲井真弘多前知事と協力していたとして「残念ながら今、知事が代わり、状況が従前と違うという認識はある」と指摘した。

 同時に計画推進には県の協力が必要なものもあるとして「知事と話をし、私どもの考え方を伝えることは大変重要なことだ」と述べ、裁判闘争ではなく対話による解決の必要性を指摘し、翁長雄志知事との会談を希望した。

 辺野古新基地建設などについては安倍晋三首相からも計画を推進するよう指示があったと説明した。さらに日米外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)を早期に開催する考えを示した。

◇小野寺氏人物像 寄り添う姿勢も現路線逸脱せず

 【東京】2度目の防衛相就任となった小野寺五典氏は、前回防衛相を退任後の2014年10月の本紙インタビューで、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設について「政治家になる前、辺野古周辺の海で泳いだこともある。きれいな海を埋めることは重い決断でつらい思いもある」と沖縄に寄り添うような一面を見せたこともある。

 だが基地建設計画自体は「日米合意で辺野古移設は唯一の方向だと決められた流れだ」と同じインタビューで述べるなど、安倍政権の強硬路線から逸脱しなかった。

 2007年に外務副大臣に就任。08年の米兵女子中学生暴行事件で来県し、在沖米四軍調整官に対して綱紀粛正、再発防止を求めた。12年10~11月は衆議院の沖縄・北方特別委員長を務めており基地問題以外でも沖縄に詳しい。

 12年12月から防衛相に就任してから来県を重ねた。13年4月には岸田文雄外相らと共に嘉手納基地より南の米軍6施設・区域の返還・統合計画について米側と合意した。辺野古新基地建設を巡り、非公表の日程で副知事や県内市町村長、名護市辺野古区長らと面談して理解を求めるなど、掘削調査着手の道筋を付けた。