沖縄県の大東島地方は7月以降、まとまった雨が降らず、サトウキビにロール現象が起こり、水不足が深刻化している。
台風5号が大東島地方に4日に接近したが、気象庁によると、南大東島の6日午後3時までの8月の降水量は13・5ミリにとどまる。一部のサトウキビは水不足から枯れかかったり、乾燥した葉を好むバッタの食害に遭ったりし、農家は雨を求める声を上げている。
南大東島地方気象台によると、大東島地方は6月は平年比151・5%の282ミリの降水量があったが、7月は同23・8%の24ミリだった。7月の日照時間は330・2時間で、1943年の観測開始以来、最も長かった。川がなく貯水池に水を頼っており、同気象台には農家から降雨の問い合わせが相次いでいるという。
南大東村内のサトウキビ畑の一部では、葉が丸まって水分の蒸発を抑えるロール現象や、バッタの一種タイワンツチイナゴの食跡が見られる。サトウキビ農家の沖山吉人さん(58)は「乾燥気味で水が足りなく厳しい」と話した。村内の農業関係者は「葉がバッタに食べられると光合成ができなくなって成長できない」と不安を口にした。