県産寝具をブランドに 地元素材活用、県内4社が組合設立へ


この記事を書いた人 平良 正
県寝具製造業協同組合を設立する(左から)マルイチの新垣太輝さん、屋富祖商事の上間文覚さん、眠りの駅の新垣浩史さん、大山タタミ店の大山正人さん=20日、眠りの駅浦添店

 県内で布団や枕、畳、ゴザの寝具を製造・販売する4社が集まり、県寝具製造業協同組合の設立に向けた準備を進めている。沖縄の気候風土に合わせた快適な寝具を提案するほか、ビーグ(イ草)や月桃など地元の素材を使った新製品の開発、伝統工芸と協業したデザイン展開といった活動を構想している。

 組合を結成するのは屋富祖商事(中城村)、マルイチ(糸満市)、大山タタミ店(宜野湾市)、眠りの駅浦添店。各社の3代目など若手を中心に、県外からの大量生産品に押されて減少傾向にある県内寝具業界の現状打破を話し合ってきた。県内の縫製業界が「かりゆしウエア」を確立したように、県産寝具のブランド化を目指す。

 発起人で屋富祖商事代表の上間文覚さんは「祖父の代から枕やクッションを中心に製造を手掛けているが、沖縄で寝具が作られていることがあまり認知されていない。沖縄でしか作れない製品の開発で業界を盛り上げたい」と語る。

 うるま市の照間ビーグを材料に使った畳マットレスなど新製品開発の準備も進めているほか、「メードインうちなー」を明示するブランドタグの作成、消費者への情報発信などに4社が協力して取り組む。

 大山タタミ店専務の大山正人さんは「県産ビーグのPRもして農家に貢献できるといい」と語り、マルイチ営業部長の新垣太輝さんは「デザインで紅型と組むなど、今までの固定観念を覆したい」と意気込む。

 眠りの駅睡眠環境アドバイザーの新垣浩史さんは「ホテルの部屋で沖縄らしいリゾート感を演出するなど、観光産業に参入していける」と指摘した。