社会

沖縄県内救急車出動、4196件増 軽症患者や頻回利用 昨年

 9日は救急の日。琉球新報社は8日までに県内の18消防本部に対して救急医療体制に関するアンケート調査を実施したところ、16年の救急出動件数は合計で7万5599件で、対前年比で4196件(5・9%)増加したことが分かった。多くの消防が救急車の頻回利用者や軽症患者への対応を課題として挙げており、不適切な救急車の利用によって救急や医療現場が苦慮している実態が浮かび上がった。

 調査は消防の出動を「救急」「火災」「救助」と「その他」に分けて、2015年、16年の出動件数を聞いた。その結果、県内18消防全てで救急出動件数は増加しており、最も救急出動件数が増えたのは沖縄市消防の607件増の7740件で、那覇市消防が464件増の1万8585件(過去最多)、比謝川行政事務組合ニライ消防が402件増4844件と続いた。

 65歳以上の救急搬送件数の増加が顕著で、沖縄市消防で355件、那覇市消防で330件増加するなど、高齢者の出動要請が全体の出動件数を押し上げた要因とみられる。

 「救急搬送に該当しない出動要請があった」と回答したのは17消防で「タクシー代わり」や軽症患者が「救急車で病院に行くと早く診てもらえる」との理由で、救急車の出動を要請する事例があった。

 救急医療に詳しい県立南部医療センター・こども医療センターの梅村武寛救急救命センター長は「医療の体制には限りがある。救急車を呼んだり、夜間の救急診断を受けたりする際は自分の都合で呼んでいないか、一度立ち止まって考えることが必要ではないか」と指摘した。

 課題を聞いたところ、多くの消防が救急車の適正利用を挙げた。「救急要請が重なると、本来救急車を必要とする患者さんの元への到着遅れが懸念される」(ニライ消防)、「このままでは消防だけではなく、病院を含め救急医療が崩壊する可能性がある」(豊見城市消防)と、救急出動が増加の一途をたどることに、現場は強い危機感を抱いている。(池田哲平)



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