核ミサイル、那覇で誤射 NHK報道 59年の米軍飛行場


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ミサイル事故を伝える1959年6月20日の琉球新報

 NHKは10日放送の「NHKスペシャル 沖縄と核」で、1959年6月19日、米軍那覇飛行場で核弾頭を搭載したミサイル「ナイキ・ハーキュリーズ」が誤って発射され、海に落下していたと報じた。

 NHKスペシャルによると、米軍那覇飛行場に配備されていた「ナイキ・ハーキュリーズ」は、発射に備える訓練の際、1人の兵士が操作を誤り、突然ブースターが点火。水平に発射し、そのまま海に突っ込んだという。核弾頭の整備に当たっていた元米陸軍兵士の男性はインタビューで、誤射されたミサイルには、核弾頭が搭載されていたと明らかにした。元兵士は「核弾頭の威力は広島に投下された原爆と同じ規模の20キロトンだった。核爆発を起こしていたら那覇が吹き飛んでいただろう」と話した。NHKは米軍の内部文書などから、米軍が核兵器事故であることを徹底的に隠蔽(いんぺい)しようと、ミサイルを回収し、兵士らに口外を禁じていたとも伝えた。

 大惨事につながりかねなかった誤射だが、核ミサイルの事故だったことは一切公表されず、本紙も59年6月20日の紙面で「ミサイルが部分的に発火する事故が発生し、発射火薬によって米兵1人が即死し、5人が負傷した」とのみ伝えた。