興南中生が“ヤギスイーツ”開発 あす校内販売


この記事を書いた人 平良 正
ヤギミルクを使った白玉ぜんざいを手掛ける「株式会社やぎアイス」の生徒たち=那覇市の興南中学校

 興南中学校が続ける次世代型総合学習「まなVIVA」で地域産業を学ぶ生徒ら40人は、2社の「株式会社」を設立してヤギを使ったスイーツ商品の開発に取り組んでいる。

 ヤギの消費拡大を目指してヤギミルクを使い、「株式会社やぎアイス」は白玉ぜんざい、「株式会社とりぷるメェ~」はパンケーキのアイスクリーム添えを200食ずつ準備し、16日のオープンキャンパスで販売する。出資してくれた「株主」に応えようと完売を目指す。

 まなVIVAでは、全生徒が産業のほか社会福祉、国際関係など5カテゴリーに分かれ、1年間をかけて教室と実社会をつなぐ学習を行う。各カテゴリーとも1~3年生の縦割りで、産業では80人のうち40人が株式会社に参加する。

ヤギミルクを使ったスイーツを作ろうと、たこ焼き器に向かう「株式会社とりぷるメェ~」の生徒ら=12日、那覇市の興南中学校

 生徒らは年度当初からヤギ農家の苦労や課題を座学や現場で学び、沖縄が誇るヤギ食文化を若者にも広げようと、ヤギを使ったスイーツの開発に着手した。会社間の競争も体験してもらおうと今年初めて2社を設立。校内の教員にそれぞれアイデアを発表して出資を募り、両社とも7万円ほどの資本金を集めた。

 当初ソフトクリーム開発を目指したが、衛生面から断念した「やぎアイス」の二宮侃月社長(15)=3年=は「衝突もしたけど誰でもが楽しめるぜんさいに決まった」と話す。ヤギミルクの消費量を増やそうと、ヤギミルクと牛乳でこねた白玉を豆のうまみを生かしたぜんざいに載せ、200円で売り出す。

 「とりぷるメェ~」はホットケーキミックスをヤギミルクと牛乳で溶き、たこ焼き器で丸く焼き上げる。ヤギミルクの臭みを出さず、形がきれいにまとまる固さで、原料費が予算オーバーしないよう、調理部長の金城花菜さん(14)=同=は自宅でまで分量の研究を重ねた。仲間とたこ焼き器を囲んでいた仲村篤紀社長(15)=同=は「目標は完売。ヤギ食が盛んになればいい」と笑顔を見せた。