沖縄海底 鉱石引き揚げ 世界初、商業化へ期待 経産省


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 【東京】経済産業省は26日、沖縄近海海底約1600メートルの熱水鉱床から金などの資源を含む鉱石を大量に引き揚げる試験に世界で初めて成功したと発表した。鉱石の採取作業を効率化することで、海外に大部分を依存する鉱物資源の国産化に向けた技術確立や、商業化につながるかが期待される。経産省は「十分な埋蔵量が確立できれば資源産出国になれる可能性もある」とみている。

 経産省は8月中旬から独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と沖縄近海で調査していた。調査では海底から熱水が噴出し、銅や鉛、金、銀などが沈殿して形成された海底熱水鉱床から削った鉱石を、大型水中ポンプを使って海水と共に吸い上げ、約16トンを採取した。ポンプを使わない従来の無人機による掘削作業より効率的に鉱石を採取できる。

 経産省は今回採掘した鉱床には、日本の年間使用量に相当する亜鉛が存在すると分析している。

 成功を受けて、経産省は2018年度に経済性評価などを進め、将来的な商業化につなげる考え。

 世耕弘成経済産業相は26日の会見で「民間企業が参画する商業的な開発を目指し、資源量、質の評価、生産技術確立といった施策に取り組んでいきたい」と述べた。

英文へ→The Ministry of Economy, Trade, and Industry expects to commercialize first-ever mineral extraction from the Okinawan seafloor