重要法案、論戦激しく 衆院前職9氏国会活動 発言、野党多い傾向


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
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 22日投開票の衆院選に立候補を予定する県内の前職9氏は、与野党それぞれの立場から国政で発言し、法案審議などに臨んできた。前回の解散総選挙以降の国会では、2015年の安保関連法や、17年の「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正など重要法案を巡る国会論議では激しい攻防があった。重要法案での賛否や国会での発言回数など9氏の国会活動をまとめた。

 国会活動の度合いを示す指標の一つに、国会における発言回数がある。国会会議録検索システムによると、県選出・出身で最も多かったのは玉城デニー氏(自由)の76回で、次いで赤嶺政賢氏(共産)の67回だった。政府・与党を追及する立場の野党が圧倒的に多く、少数政党ほど発言の場や露出機会が多くなる傾向もある。

 与党の自民は議席で大多数を占めることや、事前に党内の部会などで法案に関する論議を交わし審査することもあり、国会での発言回数も制限される。自民では議員任期中に衆院国交委員長を務めた西銘恒三郎氏(現経産副大臣)が64回で最も多く、ほか3氏は11~25回だった。

 国会質疑以外には、政府見解をただす「質問主意書」制度がある。国会での質疑時間が限られている野党や無所属の議員が積極的に利用する傾向があり、県選出・出身議員では無所属の仲里利信氏が132回と突出した。主意書に対する政府答弁書は閣議決定を経て、正式な国会答弁となる。

 一方、法案審議では、政党に所属する議員は国会での採決時に党の方針に縛られる“党議拘束”がかかるため、所属議員が同じ態度を取る。9氏の任期中は、自民4氏が賛否が分かれた重要法案について与党の立場から賛成したほか、“是々非々”を掲げる野党維新の下地幹郎氏は、法案によっては与党と歩調を合わせ賛成に回った。

 与野党が激しく対立し攻防を繰り広げた15年の安保関連法を巡る衆院採決では自民が賛成。共産、維新、社民、自由の各氏は質疑打ち切りなどの与党の対応に反発して採決に加わらず退席した。

 16年臨時国会では政府、自民党が環太平洋連携協定(TPP)承認、年金制度改革法、カジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)整備推進法と矢継ぎ早に成立を図った。特にIRについては与党の公明党内に慎重論が残る中での成立となり、強引な国会運営も指摘された。