石垣でミカンコミバエ34匹確認 島全域を防除へ


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石垣島全域に投下・設置する誘殺板を手に、発見しても触れないように呼び掛ける県八重山農林水産振興センターの竹ノ内昭一所長(左)ら=2日、石垣市役所

 【石垣】1986年に根絶した「ミカンコミバエ」が8~9月に石垣島で断続的に34匹発見されたとして、再定着を防ぐため沖縄県と石垣市は2日、島全域での防除作業を実施すると発表した。根絶後も散発的に発見されていたが、今回の発見数は最多。誘殺板を島全域に投下・設置するほか、市民にも庭先などで植栽する果物類などの落下果実や熟果の除去・廃棄への協力を求めている。

 東南アジアや台湾が発生地のミカンコミバエは、幼虫が果実に寄生して腐敗させ、まん延すると甚大な被害をもたらす。根絶後に石垣島で確認された数としては2014年度の31匹が最多で、今回は2カ月でそれを上回った。島全域で発見されたという。風で飛来したとみられる。防除作業は17年度内に3回、島全域で行う。1回目は10月4、5、11日に実施する。ミカンコミバエの殺虫剤を染みこませた4・5センチ四方の植物繊維の誘殺板2万3500枚をヘリコプターから市街地外に投下するほか、市街地や水源地周辺の街路樹などに3100枚をつり下げる。

ミカンコミバエの成虫(県病害虫防除技術センター提供)

 11月と18年2月にもそれぞれ約3万9千枚の誘殺板を島内全域に投下・設置する予定。直接的な健康被害はないが、誘殺板を発見しても触れないよう市民に呼び掛けている。

 ミカンコミバエの産卵場所になる可能性があるとして、県などが果物全般やトマトなどのナス科果菜類の落下果実や熟果は放置せず、ビニール袋で密閉して処分するよう求めている。問い合わせは石垣市農政経済課(電話)0980(82)1307。