米軍、津堅沖で降下訓練 中止要請の中で強行 今年6度目


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
MC130特殊作戦機からパラシュートを付けて降下する兵士ら=11日午後0時58分ごろ、津堅島沖

 【うるま】米軍は11日正午すぎから、沖縄県うるま市の津堅島訓練場水域で今年6度目となるパラシュート降下訓練を実施した。午後0時半すぎに2回の降下訓練が確認された。県や市はパラシュート降下訓練の通知を受けるたび、訓練の中止を強く求めている。しかし米軍は訓練を強行しており、訓練が常態化しつつある。地元からは「本当にわじわじーする」と反発の声が上がっている。

 正午すぎに嘉手納基地を飛び立ったMC130特殊作戦機が津堅島訓練場水域の上空を数回旋回した後、午後0時38分と58分の2回に分けて降下した。米兵計10人と物資とみられる黒い物体1個が海面に降下した。海面付近では事前に待機していたボートに、落下した兵士らが乗り込む様子などが確認された。

 11日午後8時時点で、米連邦航空局のサイト上には、津堅島訓練場水域でのパラシュート降下訓練実施の情報が掲載されたままとなっており、12日も再び訓練を実施する可能性がある。

 訓練水域周辺は、民間漁船や船舶が航行する。勝連漁協の上原勇行組合長は、モズク漁への影響はないとした上で「本当は(訓練区域を)撤廃してもらいたいが、県や市が何度抗議しても変わらない。本当にわじわじーする」と話した。

 沖縄防衛局は9月29日、「水面を使用する演習」をうるま市に通知し、9日には米連邦航空局が発表した航空情報(ノータム)を基に降下訓練の実施を知らせた。

 県は1996年のSACO(日米特別行動委員会)合意で、読谷補助飛行場で実施されてきたパラシュート降下訓練が伊江島に移転したことを受け、津堅島訓練水域ではパラシュート降下訓練を実施しないよう求めてきた。