絶滅危惧サンゴ 移植遅れても着工 防衛局、監視委に


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 沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡る問題で沖縄防衛局は、7月に周辺海域で発見された絶滅危惧種のオキナワハマサンゴ1群体の移植が遅れた場合でも、護岸工事を進める考えを9月27日の環境監視等委員会の中で示していたことが、16日までに分かった。環境監視等委員会の議事録から明らかになった。

 防衛局が予定するサンゴ特別採捕許可の申請について、県は厳しく審査するとの考えを示している。このことからサンゴ移植が遅れる可能性があるだけに、移植前に護岸施工に着手するか否かが今後の焦点となりそうだ。

 公表された資料によると防衛局は、サンゴが移植されないまま護岸を施工してもサンゴ白化の原因となる水温の上昇や水の濁りの拡散は起きないとの見通しを立てており、生息環境は保たれると説明している。

 環境監視等委員会の委員からは「サンゴ生殖地点・工事海域内・工事海域から十分離れた場所・サンゴ移植先の4地点でモニタリング調査を実施しないと、サンゴ消失の原因が工事にないとは言えない」との意見が出され、今後の工事に十分に注意するよう求めた。