本島南部に希少種ハゼ 「絶滅恐れ強い」


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豊見城市の豊崎干潟で見つかった絶滅危惧種のミナミアシシロハゼ(國島大河さん提供)

 奄美大島と本島北部にしか生息していないと考えられていた絶滅危惧種ミナミアシシロハゼが、市街地に囲まれた漫湖(那覇市、豊見城市)と豊崎干潟(豊見城市)で見つかった。研究者は「開発が進んでいる南部は希少種などはいないと思われ、調査もあまりなされていない。重要性を見直さなければならない」と驚いている。琉球大学大学院・海洋環境学専攻の國島大河特別研究員らが10月30日発行の国際学術雑誌バイオジオグラフィに発表した。

 ミナミアシシロハゼは干潟の泥の中に住む5センチほどのハゼで、琉球列島に固有の新種として1996年に報告された。奄美大島と羽地内海、塩屋湾に注ぐ河口の一部でしか見つかっていなかった。琉球列島全体で干潟調査を行う中で、初めて本島南部で見つかった。分散能力が低いため、北部などの個体群とは遺伝的に異なる可能性がある。

 生息地が限られる生物は開発や汚染で一気に姿を消してしまう。共同研究者で同大理学部の立原一憲准教授によると、今回見つかった南部の個体群は北部のものより生息地は狭く個体数も少ないという。立原准教授は「開発が進む地域でほそぼそと生き残ってきたが、絶滅の恐れは北部以上に強い。継続的な調査が必要だ」と強調した。