辺野古、新たに絶滅危惧サンゴ 防衛省が沖縄県に報告、詳細公表せず


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
クレーン車から砕石を投下する作業が続く米軍キャンプ・シュワブ=13日、沖縄県名護市辺野古

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に伴う新基地建設工事海域で、新たに絶滅危惧種のオキナワハマサンゴ8群体、準絶滅危惧のヒメサンゴ2群体の計10群体が見つかったことが13日明らかになった。防衛省沖縄防衛局が同日までに沖縄県に報告した。防衛局は詳細な発見場所や写真は現時点で公表できないとした。

 8日に大浦湾側でオキナワハマサンゴ8群体とヒメサンゴ1群体、10日に辺野古側でヒメサンゴ1群体を発見した。埋め立て予定地では7月にも絶滅の恐れのある希少なサンゴ14群体が見つかっていたが、防衛局が県に報告した時点で13群体は死滅していた。

 このため県は報告が遅いと批判しており、防衛局は今回、発見から数日以内に県に報告したことを強調した。防衛局の調査で埋め立て工事区域内で絶滅危惧種のサンゴが発見されたのは、今回で2度目。今回発見されたサンゴについて防衛局は「移植のための採捕許可申請を県に出すかどうかなど対応は環境監視等委員会で議論する」とした。

 沖縄防衛局は6日にN5、K1護岸の工事に着手した。近隣には7月に発見され、防衛局が移植したいとしているオキナワハマサンゴが生息している。防衛局は護岸工事着手後のサンゴへの影響について「モニタリングの結果、施工による影響は確認されていない」との回答を13日、県に文書で提出した。