【中学・美術】新聞切り貼り、4コマ漫画 記事と見出し、読み込み作る


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
美東中学校 仲座泰子教諭

 4コマ漫画って美術作品? 4コマという短い物語を考え、発想力やアイデアを引き出そう。沖縄市立美東中学校の美術科担当、仲座泰子教諭は9日、1年4組の美術の時間に新聞を活用した授業を行った。生徒34人は新聞の記事や写真を切り貼りし、工夫して4コマの漫画作品を作りあげた。

 2人1組で新聞を使い、一つの作品を作る。前回の授業で記事や写真をスクラップした生徒たちは、ストーリーを考え始めた。新聞をめくりながら「いいのないかな~」と材料となる記事を探す。「ゴリラの友達の名前どうする?」。登場人物や会話の吹き出し、ストーリー展開まで想像を膨らませる。写真だけでなく見出しを登場人物の言葉として使って、インパクトのある3コマ漫画にする生徒もいた。

 新聞記事をヒントにストーリーを組み立てることもできる。台風22号が発生したという記事から着想を得たり、新聞に毎日掲載されている4コマ漫画のストーリーを参考にしたりした。

新聞を切り貼りして4コマ漫画を作る生徒たち=9日、沖縄市の美東中学校

 30分ほど集中的に制作に取り組んだ後、完成した作品を発表する時間に移る。1コマずつスクリーンに映し出され、生徒は吹き出しの言葉をアフレコしながら発表した。

 米軍のヘリが東村高江で炎上した後、同型のヘリが嘉手納基地で訓練をしたという記事を参考に作品を作ったペアは、最後のコマで「これがお前らのやりかたかー」というお笑い芸人のネタを落ちにした。発表を聞いた生徒たちは「すごーい!」と拍手し、教室中が沸いた。

 たくさんの写真を使って工夫した宇良未来さん(12)は「普段見ないような写真を使ってストーリーを考えるのが楽しかった」と満足げに話した。洲鎌旬平君(13)は「ストーリーを考えるのが難しかったけど、想像力が高まったと思う」と感想を述べた。

狙い

 美術の作品は長い時間を掛けて完成させるものが多い。新聞の記事や写真、広告などを活用してまとめることで、短時間で発想力やアイデアを引き出すことができる。

 またペアで協力しながら作品を仕上げることを通し、コミュニケーション能力を養う。

 

進め方

新聞記事を題材にして発表した生徒の作品

1.新聞から材料探し
 2人1組で1部の新聞をめくり、面白い記事や写真を探して切り取る。
 広告やイラストなど紙面にあるものは何でも材料になる。
 同じ写真を使いたい場合は、他のペアの新聞からもらう。

2.4コマ漫画制作
 ペアで話し合いながら自由な発想でストーリー展開を考える。
 ワークシートに切り取った写真や見出しを貼り付けたり、絵を描いたりして一つの作品を仕上げる。
 記事も展開を考える参考になる。

3.発表
 完成した作品をスクリーンに映し出し、生徒たちがアフレコしながら発表する。
 工夫した点などを評価し合う。

 

実践者の一言

 生徒たちの自由な発想に任せて、4コマ漫画制作に取り組めた。物語や絵に工夫を凝らし、普段以上に集中していた。

 新聞に載っている人たちは現実に存在しているので、物語の内容には配慮してほしい。架空の物語でも人物の人権を傷つけてはいけない。

 


学習指導案

クリックで拡大・ダウンロード(PDFファイル)

評価シート

クリックで拡大・ダウンロード(PDFファイル)

ワークシート

クリックで拡大・ダウンロード(PDFファイル)