「地域活動参加せず」、高齢者の7割 那覇市調査、「気軽に集まれる場」の要望多く


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦

 沖縄県那覇市はこのほど、65歳以上の高齢者を対象に介護予防・日常生活圏域ニーズ調査を実施し結果を公開した。調査結果によると、65歳以上の市民のうち9割が週に1回以上外出をする一方で、自治会や老人クラブなどの地域活動に「参加しない」と答えた人がいずれも6~8割だった。高齢者と地域とのつながりに課題がある現状が浮き彫りになった。

 調査は、2018年度から施行される第7期高齢者プランの策定に伴うもので、全国の市町村で実施されている。16年11月24日~12月15日に、65歳以上の市民から無作為に抽出した1万1600人を対象に実施した。郵送で配布回収し、回収率は51・8%だった。

 調査結果によると、市内で1人暮らしの高齢者は24・9%(1493人)だった。90歳以上では1人暮らしの割合は33・6%(42人)と3割を占めた。1人暮らしの高齢者の割合が高いのは若狭(183人、38・3%)で松尾(141人、31・3%)古波蔵(143人、29・2%)と続いた。

 地域活動について、自治会や通り会に「参加していない」と答えた人が最も多く69・8%だった。老人クラブも「参加していない」とした人が79・1%で8割に上った。

 一方、安心して暮らすために充実してほしいことに「気軽に集まれる場」を選ぶ人が最も多く、人とのつながりを求めていることも明らかになった。

 病気の際に看病する人について、配偶者と答えた人が最も多く48・9%(2490人)別居の子が40・1%(2411人)同居の子が24・9%(1498人)だった。

 一方、家族や知人以外で相談する相手は「いない」とした人が最も多く39・3%(2363人)医師・看護師が29・4%(1768人)役所が12・7%(764人)だった。

 調査した那覇市ちゃーがんじゅう課によると、地域の高齢者の介護予防や介護・看護を地域で実施する地域包括ケアの深化や、けがなどの重度化予防が全国的に求められている。市の担当者は「個人での健康への心掛けや地域のつながりが大事になる。調査結果を基に計画を策定したい」と話した。