社会

法廷に母のおえつ 被告、判決に無表情 元米軍属無期懲役

起立し「無期懲役」の言い渡しを受けたケネス・フランクリン・シンザト被告。そのまま着席し頬づえをつきながら判決理由を聞いた=1日、那覇市樋川の那覇地裁(イラスト・相弓子)

 2016年4月に発生した米軍属女性暴行殺人事件の裁判員裁判で那覇地裁は1日、ケネス・フランクリン・シンザト(旧姓ガドソン)被告(33)に無期懲役の判決を言い渡した。事件について黙秘し続けたケネス被告。真実を語らず、謝罪の言葉もなかった被告に対し、県民からは「反省がない」「米軍基地あるが故に起こった事件だ」などと怒りの声が上がった。極刑を求めていた遺族は「私たちは日々悲しみ、苦しみの中にいる。それは生きている限り続くだろう」とやりきれない悲しみを抱え、法廷を後にした。

 判決公判の冒頭、裁判長から「その場で起立しなさい」と指示されたケネス被告(33)。「被告人を無期懲役に処する」。裁判長が判決主文を言い渡した瞬間、一報を伝えるために席を立って駆けていく記者らを一瞬横目で見たケネス被告は、無表情のまま判決の英語通訳を聞いた。裁判で極刑を求めていた被害者の両親は、判決を聞いて目頭を押さえた。
 白いTシャツと紺色のズボンで入廷したケネス被告は、裁判長が判決理由を読み上げる約40分の間、深く椅子にもたれ、机の上に左ひじをついて聞いた。
 成人式を終えて間もない娘の未来を無残にも奪われた遺族。被告席に座るケネス被告と相対する検察官席側に父親は座っていた。黒いシャツに黒い背広と喪服を着用し、判決を聞くと青いタオルで顔を何度も拭い、鼻を真っ赤にして天井を見上げた。
 ケネス被告と向き合う形となった父親は時々、被告に視線を向けてはすぐに目をつぶったり、視線を下に向けたりしていた。傍聴席に座った母親は、判決理由が朗読される間、ピンクのハンカチを握りしめて口元を覆い、何度も涙を拭った。ケネス被告の方向をじっと見つめる場面もあった。
 裁判長が「残された両親が、犯人に対して極刑を求めるのは当然」「人の命を大切に思う気持ちが少しでもあれば、途中でやめることができたはず」などと読み上げ、両親がうなずく場面もあった。
 被告が法廷から立ち去ると、被害者の母親は両手でハンカチで顔を覆い、こらえきれなくなったように「あぁー」と泣き崩れ、その声が法廷内に響いた。閉廷後、母親は付き添う女性らに抱きかかえられるようにして法廷を後にした。

英文へ→Ex-Marine Kenneth Shinzato sentenced to life in Okinawa rape and murder trial