ボクシングの第54回沖縄県高校選手権大会(主催・県ボクシング連盟、共催・県高体連、琉球新報社)の最終日は25日、糸満市の沖縄水産高体育館で行った。男女10階級の決勝を行い、ライト級は沖水勢同士の対戦となり、上原大漁が山口臣馬を3-2の判定で下して初優勝、最優秀選手にも選ばれた。ライトフライ級は又吉日向(KBC未来)が砂川朝都夢(那覇工)に5-0で判定勝ちし、頂点に立った。バンタム級の川満克己(宮古工)は宮城葵(浦添)に1回1分39秒でRSC勝ちした。
◇ライト級初V上原 病克服、復活の拳
ライト級・上原大漁(沖水3年)が得意のアウトボクシングで、後輩の山口臣馬(同2年)との接戦を制し、頂点に立った。小学5年から続けてきたボクシングで県内外の大会を含めて初の1位。昨年は腎臓の病気で1年間、部活動を休養していただけに「やっと優勝できた」と喜びをかみしめた。
相手の山口は11月の新人大会の優勝者だった。上原は「どうせ勝てないから、思いっきりやろう」と開き直り、決勝に臨んだ。
立ち上がりから足を使ったアウトボクシングで、相手のジャブに右フックと右ストレートを合わせてポイントを重ねた。
勢いそのままに、2回も積極的に攻め、相手のガードを左右のアッパーで崩し、ボディーを打ち込んだ。3回は足が止まり、相手にインファイトにもち込まれたが、3-2の判定で勝利した。
練習不足から、体力面を心配していた上原。「1回から足を使って思いっきりいく」と決めて臨み、理想とする動きを見せ勝利を手にした。上原は「まさか勝てるとは思っていなかった。うれしいです」と声を弾ませた。(喜屋武研伍)
◇要所で正確カウンター LフライV又吉
全国アンダージュニアの県代表に選ばれた経歴を持つ選手同士の対戦となったライトフライ級決勝。身長が伸びたことで1階級上げて大会に臨んだ又吉日向(KBC未来)が砂川朝都夢(那覇工)に対し、狙いすましたカウンターが要所で決まり5-0で判定勝ちした。
全ての審判が又吉に軍配を上げたものの、「内容は50点ほど」と納得のいかない表情。砂川は同じジムの先輩で、緊張で動きが硬くなっていたと反省した。
試合は様子見から始まり、2回、又吉は低い姿勢で頭を揺らし、相手の左右のジャブに合わせて右ストレートを打ち込んだ。3回は激しくボディーを打ち合ったが、相手のガードが下がるところで右ストレートを打ち込んだ。
「練習通りの動きが出せるように、メンタルを鍛える」とさらなる成長へと課題の修正に取り組む。(喜屋武研伍)