沖縄県民投票根拠に「辺野古撤回」を 武田教授、学習会で提起


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講師を務めた武田真一郎教授=26日、那覇市の県市町村自治会館

 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古への新基地建設に関する学習会「なぜ、いま沖縄県民投票なのか~辺野古新基地建設の是非をめぐって」(辺野古県民投票を考える会主催)が26日、那覇市の県市町村自治会館で開かれ、約70人が参加した。成蹊大学法科大学院の武田真一郎教授が講演し、「県民投票で反対の意思が示され、その結果を基に翁長雄志知事が撤回した場合、裁判所は違法だと判断しづらいはずだ」と実施の意義を語った。

 武田教授は翁長知事の取り消し処分に対し、違法だとする最高裁判決が出たことを念頭に「撤回で国と裁判になる場合、取り消し訴訟の時と同じ主張はできない。何度でも撤回すればいいという意見もあるが、行政権の乱用の指摘を受けかねない」と指摘した。

辺野古新基地建設阻止へ向けた県民投票の意義や重要性などを学んだ学習会

 その上で「住民が辺野古の埋め立て承認に納得していないことを示すためには、県や県議会による条例制定ではなく、県民による直接請求の方が望ましい。県民投票を根拠にした撤回であれば、裁判所は『知事の撤回は不合理だ』とする判決は下しづらいはずだ」と語った。

 会場からは「県民投票を根拠にした撤回の場合、損害賠償請求が発生しないか」「工事が進んでいる。今から県民投票で動き出すのは遅くないか」などの質問が上がった。