米軍ヘリ不時着 太平洋軍司令官「安全な場所で満足」 翁長知事は批判


この記事を書いた人 Avatar photo 島袋 貞治
米ハワイのキャンプ・スミスでハリス米太平洋軍司令官(左)と会談する小野寺防衛相=9日

 ハリス米太平洋軍司令官は10日、沖縄で相次いだ米軍普天間飛行場所属機の不時着について「一番近い安全な場所に降ろす措置に満足している」と発言した。米ハワイを訪問している小野寺五典防衛相との会談で述べた。翁長雄志知事は、この発言に対し「このような(発言をする)体質が米軍の中にある限り、県民の生命、財産は守れない」と批判した。10日、那覇空港で記者団に語った。

 翁長知事は2016年に名護市安部の海岸にオスプレイが墜落した際、パイロットの判断を評価したニコルソン在沖米四軍調整官の発言に触れ「ニコルソンさんと同じだ」と不快感を示した。

 ニコルソン氏は、今回の不時着など米軍による事故が頻発していることについて「クレイジー(ばかげている)だ」と発言した。

 この発言に対しても、翁長知事は「県の職員が何かミスをした時、私が職員のことをクレイジーとは言えない。私がトップだから。一番私が責任を負わなきゃいけない」と述べ、自らの組織が起こした不祥事について「クレイジー」などと表現する米軍を批判した。

 ハリス・小野寺会談で小野寺氏が米軍普天間飛行場所属の米軍ヘリの相次ぐ不時着に触れ「住民の安心のため安全な航行をお願いしたい」と述べた。

 これに対して、ハリス氏は、ヘリがトラブル発生時に人口密集地にある基地に戻らずに砂浜などに不時着した対処について「一番近い安全な場所に降ろす措置に満足している」と発言。同時に「米軍は安全第一に運用している」と釈明した。