医療通訳1級 1次突破 SORAアカデミー 中国語で5人


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 SORAアカデミーサポート(那覇市、城間宇(そら)恵(え)代表)が県内の医療従事者や看護学生を対象に実施してきた医療中国語講座から、受講者5人が医療通訳1級(中国語)の1次試験に合格した。医療通訳技能検定試験は語学力だけでなく医療の専門知識も求められ、県内からの合格者はほとんどいない難関だが、3年間の学習成果を示した。

医療通訳1級の1次試験を突破した座安貴子さん(後列左)、廣田奈穂子さん(同右)、當眞嗣哲さん(前列左)、奥間美香さん(同右)。前列中央は講師の城間宇恵代表=1月11日、豊見城市の那覇看護専門学校

 筆記の1次に合格したのは豊見城中央病院看護師の廣田奈穂子さん、伊計陽子さん、那覇看護専門学校3年の座安貴子さん、奥間美香さん、當眞嗣哲さんの5人。2次の口頭面接を2年以内に通過すれば、医療通訳1級に認定される。

 医療ツーリズムや観光客の救急診療などに対応する人材づくりを目的にした中国語講座は、豊見城市の補助事業で2015年度に開講した。中国語検定では受講者11人全員が準4級に合格。同検定3級に合格した5人が最終目標の医療通訳に挑み、1次を突破した。

 外国人観光客の急増に伴い医療機関での言語対応が課題となる中で、城間代表は「常に患者と接する医療のプロを語学人材として育成できれば、問題解決の糸口になる。中国語経験ゼロだった受講者がここまで到達した成果を持続していきたい」と強調した。

 3カ年の講座は終了するが、今後は5人と「医療通訳研究会」を立ち上げ、会話トレーニングを継続するほか、医療現場で使える会話集や対応策の策定などにも取り組んでいく。

 集中治療室(ICU)に勤務する廣田さんは「ICUに運ばれると入院も長期になり、家族とのやり取りや保険の手続きなどで言葉が必要になる。きちんとした文章でなくても、単語でもコミュニケーションが取れれば安心感につながる」と語った。