タイヤ、缶、布団…高速道、落下物注意 沖縄県内1日10件、県外は死亡事故も


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タイヤや一斗缶、物干しざおなど沖縄自動車道で回収された落下物=2017年12月28日、浦添市西原の西日本高速道路九州支社沖縄高速道路事務所

 沖縄県都那覇市と沖縄本島中北部地域を結び、交通や物流の「大動脈」として人々の生活を支えている沖縄自動車道。西日本高速道路株式会社(ネクスコ西日本)沖縄高速道路事務所の2017年4月から9月の速報値によると、沖縄自動車道の落下物発生件数は約1830件に上り、1日当たり10件ほど発生している計算になる。県外では落下物による死亡事故が発生しており、管理する同社は重大事故を引き起こす可能性があるとして落下物への注意を呼び掛けている。

 同社では道路ごとの毎年の落下物件数を公表していないため増減は分からない。だが、同事務所内の集積場には交換用と思われるタイヤや物干しざお、一斗缶などの金属製品や布団、木製の枠、長靴や衣類などの落下物が集められていた。

 県外では昨年10月には、岡山県の中国自動車道上り線で、車線に落ちていた大型車用のタイヤが原因で路肩に避難していた親子が死亡した。県警交通機動隊によると、沖縄自動車道でも16年には落下物に起因する事故が37件、17年も11月末までに20件発生している。いずれも物損事故だが、人身事故につながる危険性もあった。

 同社によると、沖縄自動車道の通行台数は、2014年度が約3383万台、15年度が約3601万台、16年度が3774万台。17年度も4月から11月末までの8カ月で約2591万台と、昨年度を上回るペースで推移している。レンタカーを使って本島中北部地域を訪れる観光客が増加していることなどが通行量を押し上げているとみられる。

 ネクスコ西日本九州支社の担当者は、高速道路での落下物について「車両の速度が出ている分、形状や大きさに関係なく落下物の存在そのものが事故につながる危険性がある」と話した。

 同社では県警とも連携し、積み荷をしっかりと固定することやカバーを掛けることなどを指導している。一般の車両に対しても、落下物を避けられるように車間距離を空けるように注意喚起している。落下物を発見した際には、道路緊急ダイヤル「♯9910」まで通報を呼び掛けている。(沖田有吾)