校歌探訪 竹富町立波照間小中学校


この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎

 日本最南端の学校である波照間小中学校は1894年に創設され、2014年に小学校創立120周年を迎えた。現在の児童数は33人、中学生を合わせても45人の小規模校だが、子どもたちは「島を愛し、共生・じりつできるウタマ(子ども)」の教育目標の下、島の自然や地域に育まれながら学校生活を送っている。
 最初の校歌が制定されたのは1942年。現在まで続く校歌は戦後の1947年に制定された。1、2番の歌詞は旧校歌をベースに、波照間島の豊かな自然や目指すべき児童像が描かれる。 戦時中、強制疎開先の西表島でマラリアにより児童を含む多くの住民が命を落とした波照間島。新校歌の3番では「八重の潮路に風すさみ 時代の波は高くとも」と、島の歴史と児童の今後の長い人生を重ね合わせるような歌詞で始まり、「理想の郷をきずくべく 誠心の帆を上げて」と郷里の未来を担う児童たちにエールを送る。作詞・宮良高夫、作曲・糸洲長良。