うるまに医療機器工場 エフエムディ、沖縄を生産拠点化


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 医療機器メーカーのエフエムディ(埼玉県、寺師剛社長)がうるま市勝連南風原の国際物流拠点産業集積地域で整備を進めてきた沖縄工場の落成記念式典が9日、同工場で開かれた。新工場で中間加工を行う医療機器「ガイドワイヤ」は世界的な需要が高まっており、2、3年後をめどに工場の拡張を計画し、沖縄工場の従業員を200人規模にまで増やしていくなど沖縄の生産拠点化を進める。

落成したエフエムディの沖縄工場=9日、うるま市勝連南風原

 沖縄工場の敷地面積は約1万3千平方メートルで県から賃貸している。新工場はこのうち半分の面積を活用し、建築面積は約2900平方メートルで投資額は約6億円。

 工場の稼働に当たり正規職やパートを合わせて約20人を雇用した。20年春には100人程度に増やして生産体制を強化する。

 沖縄では血管を通して病変部までカテーテルを誘導する医療機器「ガイドワイヤ」の中間加工を行う。当面は表面処理などの最終工程は埼玉県や愛知県の工場で行うが、4年後をめどに隣接地で工場を拡張する計画だ。沖縄工場で全ての生産工程を行えるようにし、沖縄工場の従業員も拡大する。現在は年間30万本のガイドワイヤ製造量を、工場拡張後には100万本まで増産し需要に応える。沖縄の貨物ハブ機能を使って輸出も検討する。

 エフエムディは16年に米医療機器メーカーと取引を開始し海外展開を強化しており、現在は供給が需要に追い付いていないという。

 寺師社長は「世界で心臓治療を受ける8人に1人が沖縄のワイヤを使うことになる。地域の発展にもつなげたい」と意気込んだ。