金武言葉で「桃太郎」絵本 継承に活用、地元色も 町文化協会しまくとぅば部会


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金武のしまくとぅばで書いた絵本を手にする読み聞かせ講座の参加者たち=13日、金武町の金武区公民館

 【金武】沖縄県の金武町文化協会しまくとぅば部会(山城清盛部長)は金武の言葉で書いた昔話の絵本「金武くとぅば編ももたろう」を作成し、金武区公民館で全8回の読み聞かせ講座を開いた。13日には最終講座があり、地域の放課後児童支援員7人が受講、参加者は「地元の言葉を子どもたちに受け継いでいきたい」などと話した。

 県のしまくとぅば普及人材養成事業の助成を受けた取り組み。文章は、金武町並里区が作ったものを土台に、町文化協会しまくとぅば部会で話し合って編集した。絵は町立中央公民館サークルのメンバーが描いた。物語では鬼ヶ島の島影が金武湾に浮かぶ岩の形になっているほか、着物なども沖縄風になっている。

 昨年12月に絵本が完成した。計200部を町内の小中学校や公民館などに配布した。

 講座はしまくとぅばによる町内放送も行う安次富八重子さん(76)が講師を務めた。安次富さんが「プープートゥ(おじいさんと)パーパーガ(おばあさんが)」「エークチャクチャ(あらまあ)」などと読み上げ、受講生たちが音や抑揚を確かめながら声を合わせて続いた。

 受講した手登根かおるさん(48)は「地域の言葉は宝物であり、子どもたちにしっかり受け継いでいきたい」と強調した。