社会

台湾女性に無罪 覚醒剤密輸 関与認めず 那覇地裁

 2016年5月、那覇港に停泊中のヨットから覚醒剤約600キロが発見された事件で、覚せい剤取締法違反などの罪に問われた女性(34)=台湾籍=の裁判員裁判の判決公判が8日、那覇地裁で開かれ、無罪が言い渡された。柴田寿宏裁判長は「被告が密輸を分かっていたとは認められない」とした。検察側は懲役16年、罰金700万円を求刑していた。

 柴田裁判長は、航海中に海上で別の船から積み込まれた土のう袋の船内への収納作業を被告が手伝ったという男の供述について「確実ではない可能性がある」と疑問視した。またこの男が収納する際に、別の女性が土のう袋を引っ張っていたことを認めているとして「男が被告と別の女性を見間違えた可能性は否定できない」と指摘した。別の乗船者らから被告の収納行為を見たとする供述はないことも重視した。

 その上で、被告が土のう袋の積み込みや収納行為を認識していたと認める証拠はなく、土のう袋に覚醒剤が入っていたことや密輸についても分かっていたとは認められないとした。

 この事件ではヨットに被告を含む男女3組の6人が乗船。土のう袋の積み込みに関わったとして船長ら男3人は実刑判決を受けた。被告は当時ヨット船長と交際していたが、一貫して関与を否定していた。別の女性2人は不起訴となった。

 那覇地検の白井智之次席検事は控訴について「判決内容を精査し上級庁とも協議の上、適切に対応したい」とコメントした。