学習環境平穏遠く 上空飛行、授業中断も頻発 米軍ヘリ窓落下3ヵ月


この記事を書いた人 大森 茂夫

 【宜野湾】沖縄県宜野湾市の普天間第二小学校に米軍大型輸送ヘリCH53Eから窓が落下した事故から13日で3カ月がたつ。運動場の使用は2月に再開されたが、米軍機が接近して避難指示が出るたびに体育や休み時間の運動は中断される。政府と米軍は事故を受けて「最大限可能な限り市内の学校上空を避ける」としたが、普天間第二小や普天間小上空での飛行が目撃されている。

 落下時に運動場で体育の授業を受けていた2年生の男子児童1人は事故後、学校での体調不良を訴えるようになり、早退や欠席を繰り返すようになった。保護者や教師から、米軍機の音に対する児童の反応が敏感になったとの証言もある。

 運動場の使用再開にあたり、学校は米軍機の接近を想定した避難訓練を実施した。PTAは万が一の際に逃げ込むための工作物や学校の位置を伝える表示の設置などを求めているが、実現していない。

 PTSD(心的外傷後ストレス障害)の調査で知られる精神科医の蟻塚亮二氏は「米軍機が飛んでくる状況は何も変わらない中での避難訓練は無力感や怒り、屈辱感を抱かせる可能性がある」と指摘する。原発事故被害者の精神状況に触れ「津波や台風を想定した避難訓練とは全く異なる。天災は自然現象として受け止めやすい一方、相手がある人災では受け止めにくい」と説明した。