欧州観光客、誘致へ直行便 沖縄県とANAなど連携 20年目標


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那覇空港の旅客ハブ化へ向け連携を表明する(左から)全日空の平川博紀観光振興チームリーダー、今西一之上席執行役員、沖縄県の富川盛武副知事、嘉手苅孝夫文化観光スポーツ部長=15日、県庁

 沖縄県は15日、新しい航路や周遊ルートを構築し、沖縄観光の経済波及効果を強化するため、2020年に欧州からの沖縄直行便就航を目標とした「国際旅客ハブ形成に向けた将来ビジョン」を発表した。計画実現へ全日空(ANA)、ルフトハンザ航空(ドイツ)と連携し、当面はドイツ、オーストラリアからの誘客を強化する。主要観光地として沖縄の認知度を高めるとともに、欧州から訪れる旅行客が日本、アジアを訪れる際の玄関口として、那覇空港のハブ機能充実を目指す。

 沖縄観光の課題である宿泊日数と消費額を向上させるため、欧州直行便を就航することで滞在日数が長い傾向にある欧州客を取り込む狙いがある。会見した富川盛武副知事は「アジアの近接性、航空路線の拡大といった優位性を生かし、これからの新しい旅行スタイルや周遊ルートを構築するために、国際旅客ハブを形成していきたい」と述べた。

 県の計画によると、18~20年の3段階で国際旅客ハブ化に向けた計画を実施する。20年の欧州直行便開設により、これまで羽田、成田や関西の各空港が担ってきたハブ機能を那覇に持たせる。

 18年の第1段階は沖縄を欧州圏の旅行客が訪れるようANAなどと連携して広報活動を充実させる。フランクフルトから東京を経由し、那覇と国内路線を用いた周遊ルートをつくる。19年の第2段階は東京、香港、上海、ソウルと結ぶ那覇への便を活用し、外国人観光客を沖縄に呼び込む。

 2019年のラグビーW杯、20年の東京五輪と国内では大型スポーツイベントが控えており、県は観戦ツアーなどに付随する観光需要も取り込んでいく考えだ。ANAは欧州圏から日本国内の地方へ誘客することを経営目標に掲げており、ANAが運航する22の沖縄路線を活用する。