キングス快勝 CS決定 島根に77―57 Bリーグ第43戦


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区1位、32勝10敗)は17日、沖縄市体育館で島根スサノオマジック(同5位、7勝35敗)と今季第43戦を行い、77―57で勝利し、チャンピオンシップ進出が確定した。キングスは第1クオーター(Q)の出だしから島根の3点弾4発に焦るも、堅い守備と古川孝敏の連続3点弾の仕返しですぐに逆転する。ミスなどで試合を掌握しきれないながらも、徐々に引き離して42―34で折り返した。後半は岸本隆一を起点としたインサイドアウトの連係プレーや各選手の個人技で会場を盛り上げ、点差を維持しつつ島根を制した。18日午後6時5分から同体育館で島根とホーム2戦目を行う。(観客3298人)

キングス 33勝10敗
77―57(24―14,18―20,18―12,17―11)
島根 7勝36敗

 【評】序盤で守備の隙を突かれて島根に先行されたが、キングスは古川孝敏の3点弾などで逆転する。第2Qは停滞感はあったが、第3Qは足とボールが動く連係プレーで流れをつかんだ。終盤は攻守でリバウンドをしっかり奪いつつ、外角弾で点差を広げ、島根を振り切った。

◆古川がギア上げた
 佐々宜央HC(キングス)の話 情けない試合の入り方だったが、練習から調子の良い古川がギアを上げてくれた。二ノ宮もチームコンセプトを理解したプレーで回し、津山の3点弾でつないでくれた。チャンピオンシップが決まったこれからは、負けてはいけないという気持ちを1試合ごとにどう出すかが大事だ。

◆古川にやられた
 鈴木裕紀HC(島根)の話 ここ数十試合、40分間やるべきことをやり続けられないことが、負けにつながっている。日本代表の古川に3点弾を打たせない守備をしたかったが、やられてしまった。18日は今日以上の試合をする。

◆我慢の時間 個々の力光る

第1Q 立ち上がりからチームを勢い付ける3ポイントシュートを決めるキングスの古川孝敏=17日、沖縄市体育館(新里圭蔵撮影)

 西地区下位の島根に先行されたり、我慢を強いられたりする時間帯も個々の力で乗り切ったキングス。地区首位を独走し続けたまま、Bリーグの頂点を決めるチャンピオンシップ出場を確定させた。ただ、課題は少なくなく、岸本隆一主将は「個人的には危機感が残るゲームだった」と表情が緩むことはなかった。

 島根戦は守備の重圧が遅い隙を突かれ、連続4発の3点弾で序盤に思わずタイムアウトを要求。そこから古川孝敏が「好機があれば狙う」と連続2発の3点弾で逆転につなげた。

 第2Qは攻撃でミスが目立つも、二ノ宮康平や須田侑太郎の激しい守備でリードを譲らなかった。

 第3Qは岸本隆一を起点にした内外のシュートや、リバウンドからの連続攻撃につなげると、田代直希が「今日は平常心で周りが見えていた」と相手のブロックをかわすミドルシュートで会場を沸かす。第4Qは津山尚大がここぞという場面で3点弾を決めるなど、勝利の立役者の多い試合となった。

 ただ、先週の三遠戦の2連敗から反省した立ち上がりにつまずいたことには、各選手が反省する。攻撃時のミスのフォローやチームルールの不徹底、11分の2というフリースローの低確率など上位陣との対戦に向けた不安要素も残った。

 佐々宜央HCは「勝ったことは一瞬だけ喜び、このままじゃ駄目だという必死な気持ちで、残り17試合をやっていきたい」と気を引き締めた。(嘉陽拓也)