【ブラジル】「青年会に刺激を」 カンポグランデ若者ら県人会と交流


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 サンパウロから約900キロも離れたマットグロッソ・ド・スル州カンポグランデ市から9人の青年がサンパウロ市のブラジル沖縄県人会をこのほど、訪問した。訪問団は5日間滞在。沖縄県人会の島袋栄喜会長を訪問したほか、サンパウロ市内にあるジャパンハウスやブラジル日本文化福祉協会の移民資料館を視察した。

サンパウロ市のブラジル沖縄県人会を訪問したカンポグランデ支部の青年たち

 県人会では琉球筝曲興陽会ブラジル支部の山城八重子さんから琴、野村流古典音楽協会ブラジル支部の真喜屋弘さんから三線の稽古をつけてもらい、青年会幹部とも交流した。

 訪問団で指揮を執ったのはクリスチャン・プロエンサさん(25)。「青年会の若者に刺激を与えることが目的だった」と説明する。

 カンポグランデに戻り、青年会のメンバーの活動を見てその効果を実感しているという。「(訪問)メンバーが祖父母にルーツについて聞いたり、屋号が何なのかなど、色々と興味を持ち、自分たちから調べようとするようになった」と話した。

 ポルトガル系のプロエンサさんは2015年から青年会で活動しており、リーダーを務めている。青年会のメンバーのほとんどが、プロエンサさんが古典芸能の指導をしている若者たちである。

 プロエンサさんは、沖縄県人会カンポグランデ支部で琉球國祭太鼓に興味を持って、同支部にかかわるようになった。その年に沖縄の三線に出合い、古典を宮城ジョルジェさんをはじめ、大城繁信さん、島田房文さんらから学び始めた。日本語も学び始め、三線のほか琉球舞踊の稽古も受け、沖縄の芸能は身近な存在になったという。

 教師免許はまだ持っていないが、「ポルトガル語が分かるから若者に説明できる」ということで、若者の指導を任されている。三線以外に琴も指導していて、徳八太鼓や安慶田青年会のエイサー、笛も教わったという。プロエンサさんは1月からカンポグランデ支部の第2文化部長を務め、沖縄の伝統文化の継承に取り組んでいる。

(城間セルソ明秀通信員)