闘ヤギ場常設し自立支援に 西原町の障がい者就労支援事業所「ちむてぃち」


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ちむてぃち商店街の中央に設置された闘ヤギ場で角をぶつけ合うヤギ=28日、西原町幸地

 【西原】沖縄県西原町の障がい者就労支援事業所「ちむてぃち」(東江貴広所長)は28日、同町幸地に常設の闘ヤギ(ヒージャーオーラセー)場を主体とした障がい者事業(A型)による複合施設「ちむてぃち商店街」を開設した。常設の闘ヤギ場の設置は県内で初めて。同事業所は「闘ヤギという沖縄の新たな観光資源を生かし、障がい者の自立に向け収益を確保できる施設を目指したい」としている。

 施設は約1320平方メートル。金網で囲った闘ヤギ場の周囲は食堂と観戦席があり、ヤギ汁(1200円)、中味汁(800円)、イカスミ汁(800円)の他、全国各地から取り寄せた缶詰を調理してその場で食べられる。

 初日もヒージャーオーラセーが実施され、角と角がぶつかり合う音に歓声が上がった。同商店街で飼育するヤギの他、飼育農家が連れてくるヤギも参加できる。飼育農家を支援するため、外部から参加したヤギが勝てば700円、負けた場合も300円を所有者に支払うという。

ちむてぃち商店街への来場を呼び掛ける宮城こずえさん(左)と又吉幸恵さん=28日、西原町幸地

 闘ヤギ場への入場料はソフトドリンク代として150円。闘ヤギは定休日の月曜日を除き、正午、午後3時、午後6時、午後8時の計4回観戦できる。試合は1回につき3~4組。

 隣接する販売場では、施設利用者が製造した化粧品や米粉そばなどを販売しているほか、昆虫の樹脂標本作りも体験できる。シーグラスやサンゴを使ったアクセサリー作りの体験教室やフリーマーケットもある。精神障がいや知的障がいなどのある45人の人たちが、ヤギの世話や食堂の運営、体験教室の指導、フリーマーケットの販売担当などを担う。

 シーグラスのアクセサリー作り体験を担当する宮城こずえさん(49)は「オープンしたばかりでどれくらい人が来てくれるか不安はあるが、闘ヤギやアクセサリー作りを楽しんでほしい」と話す。フリーマーケットを担当する又吉幸恵さん(25)は「準備も大変だったが、みんなで協力し合っていい商店街にしたい」と来場を呼び掛けた。

 ちむてぃち商店街は西原町幸地1083の1。問い合わせは(電話)098(945)0148、090(3418)5561(関根)。(松堂英樹)