コザ、3年ぶりV奪還 砂川 値千金トライ 沖縄県高校総体・ラグビー


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
コザ―名護 後半終了間際、コザ・SO普久原琉のキックパスを拾い逆転のトライに持ち込むWTB砂川陽希(手前)=30日、名護21世紀の森ラグビー場(大城直也撮影)

 決勝は逆転に次ぐ逆転劇となった。7点差で名護を追うコザは後半26分、FL宮城和久のトライとSO普久原琉のコンバージョンキックも決まり19―19と振り出しに戻した。ラックから左右へのパス回しで猛攻した終了間際。司令塔の普久原が左中間に放った絶妙なキックパスを、1年生WTBの砂川陽希がゴールまで22メートルの位置でキャッチした。「後はトライするだけ」。俊足を生かしタックルを許さず駆け抜け、栄冠を呼び込む値千金のトライとなった。

 後半26分に、ゴール1メートル前のラックから同点につながるトライを決めた宮城は、体格の上回る名護FW陣に対し「低い姿勢を意識した」という。進学への準備などのために、今大会が最後の試合となるだけに、「トライも優勝もできて良かった」と笑顔だった。

 勝利の立役者となった砂川は、準決勝ではたびたびボールを前に落とし、攻撃のリズムを切った。決勝はミスを挽回し「先輩の役に少しでも立ててうれしい」。169センチ、54キロ。各校に大柄で体幹の強い猛者がそろう中、「短距離しか取りえがないのでそこをもっと伸ばし、体重も増やしたい」と誓う。

 3年主力の2人をけがで欠いたコザは、1月の県新人決勝出場を見送っていた。今大会参加も間に合わず、決勝の15人中6人は1、2年生のフレッシュな布陣で選手層の厚い名護に挑んだ。

 「(今後は)県内では全部勝ちたい」(普久原主将)。コザが2年連続の花園へ向けてかじを切った。

 (石井恭子)